2008年8月16日土曜日

健康食品の話④

あまり知名度は高くありませんが、サプリメントの一つでL-カルニチンというのが市販されています。
この物質は筋肉細胞内に脂肪酸のエネルギーを届ける役割をしますので、筋肉の疲労回復といったうたい文句で売られているようです。

またカルニチンは羊肉に多く含まれていまして、2年位前にスーパーのジンギスカン売り場でよく流れていたジンギスカンの歌にも「ジンジンジンジンジンギスカン、ジンジンジンギスカン・・・カルニチンだよジンギスカン」という歌詞が入っていました。

心臓も筋肉からできていますから、心臓を扱う循環器科で注目し研究されました。といっても20年以上前の私より先輩の世代の話で、結局カルニチンは多くの食料にふんだんに含まれていて、普通に食事をしていれば十分であること。心疾患の人にカルニチンを多く摂らせても(もともと不足していないのだから)なんの効果もないことがわかり、はいそれまでとなったようです。

ところが10年ほど前、透析患者さんにはカルニチンが不足しがちであると透析学会で発表があり、そういう方にカルニチンを飲んでもらうと心臓にいい影響があることがわかってきました。
透析療法は一言でいうと物質交換療法ですが、このとき本意ではありませんが体内のカルニチンが排液中に出ていってしまい、慢性的に不足することがあるのです。

まあここまでは純粋に医学的な話です。ところがそれからしばらく後、とある人物のいいつけで、スーパーのレジ脇で夕食の食材の荷物もちとして待機しておりますと、「カルニチン」という文字が目に入りました。
レジ付近によくある、サプリメントの棚のところです。手にとってよく見ましたが、どこにも「透析患者さん専用」とは書いていません。
じゃあ、一般人用ということでしょうか。でも一般の人に無用であることは20年以上前に証明されているはずです。

それからさらに数年後にはジンギスカンの歌にカルニチンが登場したわけです。
確かに
・ 羊肉にはカルニチンが多く含まれている
・ カルニチンは筋肉にエネルギーを与える
・ カルニチンが不足すると心臓に悪い影響が出る
これらはすべて正しいです。でもだからといってカルニチンのサプリメントを買う必要があるのでしょうか。

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