2008年7月25日金曜日

血管の話⑤

養命酒、味の素、救心など各メーカーは中身がいいからだというかもしれませんが、ネーミングがすぐれているということは大きな要素(知名度にしても売り上げにしても)だと思います。
内科学会も最近ヒットを飛ばしまして、「メタボリック症候群」という言葉はすっかり定着してなじみになりました。同じような概念を示す言葉として「インスリン抵抗性症候群」「デス・カルテット」「内臓肥満症候群」などなどありますが、やっぱりこうやって比べてみると、「メタボリック」にしてよかったなあ(もちろん自分が決めたわけじゃないけど)とおもいます。略して「メタボ」というのもなんとなく覚えやすいのかもしれません。

一応内科学会会員ですがこれ以上ほめても何もくれそうにないので、話を元に戻して「エコノミークラス症候群」です。

病態としては、長時間同じ姿勢をとることによって足の静脈に血の塊ができ、それが歩いたりした弾みに流れに乗って肺に詰まって肺梗塞等をおこすものです。
別名「ロングフライト症候群」「旅行者血栓塞栓症」などともいいますが、やはりエコノミーと名づけたのがミソだったのじゃないかという気がします。
何の予備知識もなく「エコノミークラス」と「肺梗塞」を結びつけるのは不可能で、一種の謎解きになっています。で「エコノミー」→「狭い」→「足を動かしづらい」→「血流が停滞」→「血栓ができて肺につまる」という風が吹けば桶屋が儲かる式のたねあかしを聞くとなるほどと納得し記憶に残るという仕組みではないかと考えます。

まあ、ビジネスクラスやファーストクラスでもおこるから「旅行者血栓塞栓症」にしようとか、いや、飛行機の中が狭いからなるのであって長距離バスではおきないから「ロングフライト症候群」にしろ、など運輸業界を巻き込んで利害が絡み合い、議論が続いているようです。
あと、新潟の地震のとき余震で自宅が倒壊するのを恐れ、車の中で何日かじっとしていた住民の方に肺梗塞がおきたそうですから、場所はどこでも同じ姿勢を長時間保たざるを得ないときは注意が必要です。

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